1100年以上昔より、富士山を鎮めるために舞われてきた「稚児の舞」
「稚児の舞」には全部で5つの舞があります。
「御幣の舞」「扇の舞」「剣の舞」「八方の舞」「宮巡りの舞」です。
最初に舞われるのが「御幣の舞」です。
二人または三人で舞い、右手に鈴、左手に採物(とりもの)として御幣を持ち、場を清めます。
舞が終わる度に交代し、全ての稚児が舞いを奉納します。
楽士と呼ばれる舞の囃子方は氏子の男性が務めるそうで、この音色が素朴で実直で、長い歴史を超えて心に響いてくるような気がしてすごく好きです。楽士さんの構成は、バチと呼ばれる鞨鼓(かっこ)(=大型の鼓)が1人、大太鼓1人、笛が2人ということです。
その実直で深みのある音色に合わせて、富士山を鎮めるために稚児たちが舞うというところに魅力を感じました。
日本を象徴する山といえば富士山、日本の要という気がします。それを鎮めるための舞というのは、日本人にとって、とても大切なものだと感じるのです。それを1100年以上にわたって、稚児たちが担ってきてくれたことに心惹かれるところがあります。
1番「御幣の舞」YOUTUBEに舞いの動画が上がっておりましたので引用させていただきます。二番目に舞われるのが「扇の舞」です。
二人または三人で舞います。
右手に鈴、左手に扇を持ち、優雅に舞います。
「扇の舞」も舞い手を入れ替えながら、全員が奉納します。
お囃子の音色は「御幣の舞」とほぼ同じですが、テンポがゆっくりとなり、扇を上手く使っての優雅な舞に見入ってしまいました。
御幣の舞に比べてぐっと難しくなる「扇の舞」ですが、小さなお稚児さんもしっかりと舞われます。
上手な扇の使い方。指先にまで神経を通わせた舞です。
2番「扇の舞」大変優雅で見ごたえのある「扇の舞」でした。
(その3)につづく。