長浜曳山まつり2016⑤千秋楽

三年前、初めて「長浜曳山まつり」に訪れた時は「夕渡り」と「本日」を見学させていただきました。
そして二回目になる今年は「本日」と「後宴狂言」を選びました。
今から始まる「千秋楽」を観たかったからです。

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そして千秋楽に選んだのが「萬歳楼」。千秋楽の時間も例えば隣の「孔雀山」と重ならないように設定されていて、観に行きたい気持ちはあったのですが、今回は萬歳楼さんに専念しました。
地元のための千秋楽。特等席では子どもたちが今か今かと開演を待ちわびております。

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ヨイサー!ヨイサー!ヨイサー!ヨイサー!時間になり、しゃぎりの中、子どもたちが最後の舞台に向かいます。

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一か月以上にわたり、厳しい稽古を重ねてきた子どもたち。その集大成というも言うべき千秋楽。

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御三味線の師匠も舞台から登壇される。

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とざいとうざ~い。泣いても笑っても、「長浜曳山まつり」の子ども歌舞伎で「どんどろ大師」を演じるのはこれが最後!!!

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どんどろ大師門前のお茶屋にて、手配人、十郎兵衛を探す目明しの清次。

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お花ちゃんも最後までかわいらしく。これで見納めかと思うと残念。

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妙天、妙珍の二人なくしては、この舞台の悲しい中にも和やかな雰囲気を保つことができなかったでしょう。
萬歳楼「どんどろ大師」に欠かせない存在を演じるのが、この二人でよかった。

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そしてお弓はん。登場シーン「わたし、きれいでしょ」という気持ちで観客にしっかりアピールするよう団四朗先生から指示があったと言います。
言葉通り、幕が開いて登場した瞬間に観客を虜に。「待ってました!」の掛け声がかかる。

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お弓はん、実は三年前にも役者の声がかかったそうですが、その時はまだ小さく、遠慮されたそうです。「壺坂霊験記」でも観て見たかった気がします。

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子ども歌舞伎では、女方に選ばれた時ショックを受ける男の子もいると聞きますが、お弓はんの場合は、前々から「あんたがやるなら女方」と周囲から言われていたそうで、すんなり役に入っていけたそうです。

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「巡礼にごほうしゃ~」このかわいらしい言い方、しばらく口ずさんでしまうくらい癖になります。

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「ありがとう、ござりまするぅ~~」ご報謝をいただき感謝するお鶴。
ここでも後宴狂言では、新しく手が加えられて、より楽しくなっておりまSた。

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「あ~い~、父の名は十郎兵衛、母の名はお弓と申します~」お鶴の言葉に驚きを隠せないお弓。

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なぜか自分が3歳の時に、父も母も自分を人手に預けていなくなってしまったことを話すお鶴。
それから、随分とひどい目にあいながら暮らしてきた。ただ…そえれだけでも不憫でなりません。

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「父さま、母さまに会いたいわいな」と嘆き悲しむお鶴。まだたったの七歳なのです。

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隣で嘆き悲しむ小さな娘に、自分がその母親だと告げたい!そう思いつつも、咎人となってしまったた父と母。
名乗ったところで娘にまで危害が及んでしまう。

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ぐっと堪えて、「家に帰って、父と母の帰りを待つがよいぞえ」と諭します。

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「あなたは、本当の母親であるかのように私にやさしくしてくださる。何でもいたします。どうかお側に置いてください」とお鶴。

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「あぁ…そんなことは言わないでおくれ」お弓は本心をかみ殺して、お鶴を帰らせます。

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哀れお鶴。
「傾城阿波の鳴門」は全10段ある長編。「どんどろ大師門前の場」こと「巡礼歌の段」が特に人気がありますが、その後に続く「十郎兵衛住家の段」では、実に悲しいことが起きてしまいます。お鶴があまりにも不憫です。

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十郎兵衛を追いかける目明し清次。後ろでひょうきんに倒れる明珍はん。

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「そうか、この傘は人力車のコマやな」「何いうてるねや。これはロールスロイスやでー」。
悲しい話もしっとりしすぎないのは、本当にこの妙天・明珍のおかげ。三年前の「壺坂霊験記」も笑えて泣けてとてもよかった。
ストーリーもシンプルに分かりやすく、笑って泣けて、市川団四朗先生に頭があがりません。

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「お鶴やぁー…」帰らせてしまったお鶴の後を追うことにしたお弓。
「どんどろ大師」というすばらしいストーリーに、役者たちの個性と名演が光る最高の舞台でした。
瀬田町組の人々の、子どもたちの長浜曳山まつりが終わりました。

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一斉にクラッカーが鳴り響く。
ヨイサー!ヨイサー!という男たちの役者と萬歳楼を称賛する掛け声が響き渡る。

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子どもの目からの涙がこぼれ落ちる。お疲れさま。観ながらこちらも泣いてしまう。

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その下では、男たちも力強く抱きしめ合う。

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団四朗先生もこの笑顔。
「長浜曳山まつり」…なんてすばらしい祭りなんだろう。観に来てよかった。

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団四朗先生から、それぞれの役者たちの紹介、思い出話が語られる。

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花束の贈呈。

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それぞれの見せ場を再演する。

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明珍さんも若衆によって高々と担ぎ上げられる。
何百年の変わらず受け継がれてきたであろう、町の若者が、子どもたちの世話をするという仕組みがすばらしい。

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「次わての番ですか!」妙天はんは、ほんま素でも妙天はんや。

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お鶴ちゃんも担ぎ上げられる。ご苦労さまでした!

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最後にお弓。泣き崩れるシーンを再演しようとするも、団四朗先生が先走りすぎて笑いが起きる。
練習の時もきっとこういう感じで、厳しさの中にもやさしさ笑いが絶えない舞台だったのだろうなぁと。

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お弓ちゃん。名演ありがとうございました!

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団四朗先生もすばらしい舞台をありがとうございました。

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三味線の先生の目にも涙。泣ける祭りって本当にすばらしい。

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役者のみんなもありがとう!!

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余韻冷めやらぬ萬歳楼の曳山の前。至福であり最高の時間。
去りがたい…だけど時間です。

「長浜曳山まつり」また来たいと思います。

ありがとうございました。

















Commented by tora003 at 2016-05-05 22:33 x
やはり千秋楽の舞台からは感動が伝わってまいりますね。
全国を見回しても曳山の舞台で子供歌舞伎が上演されるのは7カ所程。
その中でも歴史、伝統、格式で頂点に立つのは長浜ではないでしょうか。
絢爛豪華な曳山と子供役者たちの熱演を捉えたせんべぇさんのセンスに拍手です。
Commented by senbei551 at 2016-05-06 00:29
ありがとうございます。去年のトラさんの千秋楽の記事を読んで、次行くなら、千秋楽がいいなぁと思っていたんだけど、期待を裏切らない感動でした!!やっぱ祭り本番(長浜では本日)もいいけれども、始まる前や終わる瞬間の雰囲気も捨てがたいですね~~。子ども歌舞伎七か所なんですね!勉強になりやす!
Commented by 自転車の主 at 2016-05-08 22:27 x
曳山の写真拝見いたしました。萬歳樓ほか各山組の子供たち、若衆の生き生きとした表情が拝見でき当日の事を今一度思い出しております。(当日は恐ろしくしんどい日々でしたが笑)
また、他のお祭りにも数多く出かけられているのですね!素敵な写真でほほえましかったです。    自転車の主より。
Commented by senbei551 at 2016-05-09 09:58
自転車の主さん、こんにちは~!
改めまして、当日はお世話になりました!うちもブログ書くために写真を見返していて、ぐっとくるものがありました!
萬歳楼さんの「どんどろ大師」ほんとよかった~~。
千秋楽も感動しました。今年は行けなかった夕渡りもいいし、地元の方には裸参りも進められ
全て行くことは、なかなか難しいのでどこを選ぶか悩ましいところです。
いずれにせよ、また観に行かせていただくことになると思います(^^
その際は、また少しでもお話しできたらうれしいです。

今月14日は、連れて行っていただいて小松へ御旅祭り、子ども歌舞伎を観に行ってきます。
by senbei551 | 2016-04-16 21:30 | ◆滋賀の祭り | Comments(4)

時々写真を撮りにいきます。主に祭りと子ども。自分も供奴として住吉大社で祭りにご奉仕させていただいております。


by senbei551